ネットワーク思考のためのメモツール RoamResearch
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先日から使ってみているRoamResearchがとても使い心地が良く、常用しているのでざっくり紹介。
PCでノートというとEvernoteやBoostnoteを使っていたが、RoamResearchはこれらとは全く毛色が違うノートアプリだ。
アウトラインプロセッサー形式で、メモを書きやすい
ログインするとまず目にするのはその日の日付がタイトルになったノートだ。これがDailyNoteで、毎日自動的にその日のノートが1ページ作られる。
ノートはアウトラインプロセッサー形式になっていて、階層的にメモを書きやすい。操作性はとても快適で、画面右下の「?」アイコンにあるいくつかのショートカットを覚えると、スムーズにメモを書いていける。Markdownの基本的な記法に対応しており、見出しやリンクなども自由に書ける。また、チェックボックスを付ける機能もあり、TODOリストも簡単に作れる。
DailyNote
DailyNoteは毎日勝手にできるページなので、思いついたことを気軽に書き出しやすい。普通のノートアプリであれば、「残しておくほどのことかな」「1ページ埋まるほど書くことあるかな」「どういう切り口で書こうかな」など意外と書き始めることにハードルがあるが、DailyNoteは書き始めることへのハードルがかなり低い。
基本的な使い方としては、このDailyNoteになんでも書いていく形だ。だがそれだけでは日付順にメモが並ぶだけで検索性が問題になりそうだが、RoamResearchはそれをスマートに解決していて、それがこのメモアプリを特徴づける重要な機能になっている。
ノートをつなぐ
ノートの中に二重ブラケット[[ ]]
で囲んでタグを書くと、自動的にそのタグ名のPageができ、そこにリンクが貼られる。もちろん既にあるノートへリンクをつけることもできる。また、リンク先のノートには最下部にReferencesが付き、そこでリンク元で書いたメモを直接参照できる。このような形でノートとノートをどんどん繋げていけるわけだ。結果的に日付とテーマの二方向から書いたメモを検索できるので、検索性には全く問題がない。
フロー情報とストック情報を整理
メモに書きとめる情報は、大きく二種類、フロー情報とストック情報に分けることができる。フロー情報とは、時間とともに価値が減り流れていく情報のことで、例えば、その日の行動記録、ニュース、天気、買い物リスト、TODOリストなどだ。それに対して、ストック情報は、時間が経過しても何度も参照されるようなまとまった情報である。
RoamResearchでは、それらを明確に区別して扱いやすく、DailyNoteではフロー情報を主軸に扱い、Pageではストック情報をまとめ、それらをリンクで自在につないでいくことができる。フロー情報をフローのまま保存しておけることで書き始めるハードルを下げ、書き出したメモを整理しながら、頭の中で混在しているフロー的情報の中からうまくストック的情報を整理し抽出することができるのだ。また、出来上がったストック情報には必ず書いた際のフロー情報が繋がっていて、それらをたどることで、その情報の異なる側面が浮き出されるといった効果も期待できる。暗黙知的なフロー情報と形式知的なストック情報を行き来させることで新たな知識が創造されるような構造は、以前習った野中郁次郎先生のSECIモデルを思い起こさせる。
※ストック情報とフロー情報については、下記記事がまとまっており参考になった
ストック情報とフロー情報 – イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
ひとまず現状の使い方
使い方の自由度が高いので、いろいろな使い方が考えられるだろうが、個人的には数日使ってみてひとまずこんな感じに落ち着いた。
- 思いついたことをなんでも、まずはその日のDailyNoteにすぐ書く
- 明日以降も行うことはTODOにしておく
- TODOで期限のあるものは期限日のDailyNoteにリンクしておく
- 時間の経過と関係なく有用だと思われるものはPageにする、または既存のPageにリンクする
- 思いついた時に、PageにReferencesの情報をもとにまとめを書く、不要になったReferencesは削除、考える途中の経過として、後で参照する可能性があるメモはReferencesのまま残す。Markdown形式で書き出せるので、そのままブログの草稿にすることも。
- DailyNoteには時間の経過とともに不要になるメモが残る
とりあえず頭の中に思いついたことをひととおり書き出してみて、RoamResearch上で整理していく感じ。書きながら頭の中が整理されていく感じがとても気持ちいい。
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